経済産業省の新たな国家プロジェクト制度として、未来開拓研究制度が平成24度からスタートしました。既存技術の延長線上にない「未来開拓技術」の開発により、将来を見据えた産業・雇用を創出し、我が国の経済・社会を再生することを目的としています。最近の国家プロジェクトは小粒化・近視眼化しているとの反省の下、基礎から応用まで一貫した長期的な研究開発を行うもので、その第一号として本プロジェクトが採択されました(平成24年度~令和3年度)。産総研に集中研を設置し、産総研、信越化学工業株式会社、昭和電工株式会社、コルコート株式会社の研究者が協力して研究を進めるとともに、大阪大学 真島教授、大阪市立大学 中沢教授、群馬大学 海野教授、早稲田大学 黒田教授、関西大学 大洞教授、そして北里大学 神谷助教の参加のもと進める体制となっています。
本プロジェクトでは、シリコーンを中心とする有機ケイ素材料を製造するための触媒技術全般を対象とするが、大きく2つの課題、①金属ケイ素を経ない砂からの有機ケイ素原料製造のための触媒技術開発、②有機ケイ素原料からの高機能有機ケイ素材料製造のための触媒技術開発、に分けられます。
ケイ素化学、有機金属化学、有機合成化学、触媒化学の知見を総合的に駆使しなければ解決できない課題であり、引き続き皆様のご指導とご協力をお願い申し上げます。
プロジェクトリーダー 佐藤一彦(産業技術総合研究所 触媒化学融合研究センター長)